「みちのく記念病院」(青森県八戸市)内で起きた患者による殺人をめぐり、病院側が死因を「肺炎」と偽造した死亡診断書を被害者遺族に渡したとされる事件で、同病院の看護師が当初、遺族に「(被害者が)転んだ」などとうその説明をしていたことが、捜査関係者への取材でわかった。 県警は、こうした看護師への指示についても、当時の院長石山隆(61)、被害者を担当した主治医石山哲(60)の両容疑者=ともに犯人隠避(いんぴ)容疑で逮捕=の関与の有無を調べている。県警は15日午前、2人を青森地検に送検した。 同病院内で2023年3月12日夜、入院患者だった男(59)=殺人罪で懲役17年が確定=が、相部屋の男性の目に歯ブラシの柄を何度も突き刺す事件が起きた。男性は翌日に死亡が確認された。 捜査関係者によると、この事件の発生後、同病院の看護師が男性の妻に連絡し、男性が転倒してけがをしたという趣旨の説明をしたという。県警は、この連絡が実際に男性が亡くなる前だったのかなど、裏付けを進めている。 両容疑者の逮捕容疑は、殺人事件を把握しながら共謀して、県警にすぐ通報せず、死因を「肺炎」と記入したうその内容の死亡診断書を遺族に渡し、事件を隠したというもの。(渡部耕平、藤井怜、鵜沼照都)