官製談合防止法違反の疑いで逮捕された白石市上下水道事業所係長・平間大地容疑者(36)と、白石市にある草刈工務店の社長・草刈俊彦容疑者(63)の身柄は21日朝、仙台地方検察庁に送られました。警察によりますと、2023年9月に白石市が発注した配水施設の防水工事を巡り、平間容疑者が草刈容疑者に予定価格など入札に関する情報を漏らして不正に落札させ、公正な入札を妨害した疑いがもたれています。警察は、2人の認否を明らかにしていません。 平間容疑者は2020年4月以降、水道事業所の工務係として「予定価格」のもとになる「設計価格」の積算を担当していました。秘密事項である「予定価格」は市長と水道事業所の所長しか知りえない情報ですが、捜査関係者は、平間容疑者が何らかの方法で「予定価格」を把握し、草刈容疑者に伝えたとみています。 白石市の工事の入札について整理します。市では原則1000万円以上の工事を「一般競争入札」で行います。入札には希望する業者全てが参加できます。一方、1000万円未満の工事については「指名競争入札」で行います。市が入札に参加する業者を選定します。市によると参加業者は最終的に「入札契約審査委員会」で決定します。 平間容疑者は、担当者として入札に参加する業者の選定に関わっていたことが今回、市への取材で分かりました。また、2024年度、平間容疑者が「設計価格」の積算などを担当した他の工事でも草刈容疑者が落札したものが2件あったということです。市の関係者は、平間容疑者と草刈容疑者について懇意にしていたかなどは分からないとしますが捜査関係者は、「2人が仕事などを通じて関係を深めた」とみて調べを進めています。