結婚式場運営の(株)アルカディアが破産申請へ

(株)アルカディア(久留米市)は2月25日、事業を停止し、福岡地裁久留米支部への破産申請を佐野俊明弁護士ほか4名(弁護士法人北浜法律事務所福岡事務所、福岡市博多区住吉1-2-25)に一任した。 負債総額は約40億円(2024年8月期決算時点)。 1973年12月、大川市のパン製造業者がホテル事業へ進出したのがはじまりで、同社から分離独立する形で(株)ロイヤルパークホテルとして当社を設立した。しかし、ホテル事業の業績が低迷したため、2002年9月に欧米様式の結婚式場「ロイヤルパークアルカディア」をオープン。「邸宅ウェディング」の商標登録も行い、ハウスウェディング事業に転換した。 以降、小倉や佐賀、太宰府に結婚式場を開業して業容を拡大。2015年12月には福岡市天神に旗艦店となる「QUANTIC(クアンティック)」を開業し、2017年8月期にはピークとなる売上高約46億8000万円を計上した。 しかし、「新型コロナウイルス」感染拡大の影響で挙式の延期や中止が相次いだため、2020年8月期の売上高は約24億3500万円に落ち込み、約6億円の赤字を計上。2021年8月期はさらに利用客が減少したため、売上高は約12億9300万円に落ち込み、約2億3400万円の赤字となった。 2022年8月期以降はウィズコロナの広がりもあり、挙式の延期や中止は減少したものの、少子化による市場縮小や婚姻数の減少など取り巻く環境は厳しく、2024年8月期は売上高約21億円に対して、約5億2700万円の最終赤字を計上し、同期末時点で約6億円の債務超過に陥っていた。 金融機関からの借入や雇用調整助成金などで資金繰りを繋いでいたが、2025年2月、大串元社長を含む幹部が従業員の休業日数を水増しし、新型コロナの雇用調整助成金を不正に受け取った疑いにより逮捕。2月25日には福岡労働局が当社に対して、違約金などを含め約12億円の返還を命じたことを公表するなどし、事業継続が困難となり今回の措置となった。 ※(株)アルカディア(TSR企業コード:930096622、法人番号:9290001050024、久留米市宮ノ陣3-3-28、設立1989(平成1)年3月)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加