新型コロナ雇用調整助成金をだましとったとして元社長らが逮捕された結婚式場運営の「アルカディア」(福岡県久留米市)は、自社ホームページで25日付での営業停止を発表した。「業績不振により、支払不能の状態に陥った」としている。 代表取締役の中山和子氏から「お客様へ」として、「近日中に裁判所に対して破産を申し立てる予定」と明らかにし、「したがって、本日以降の挙式・披露宴・宴会が全て実施できなくなりました。誠に申し訳ございません」と伝えた。金銭の支払いや払い戻しについては触れられていない。 帝国データバンク久留米支店によると、同社は1973年創業で、県南部と佐賀県を主要エリアに福岡や北九州地区にも式場を展開。2013年8月期には売上高約36億円を計上したが、新型コロナの影響で式の中止や延期が増え、24年8月期に約21億4千万円に減少し、約6億円の債務超過に陥ったという。同時点の負債額は約40億円3200万円という。 同社をめぐっては、2月に福岡県警が元社長(54)らを詐欺容疑で逮捕。福岡労働局は21日、22年4月以降に支給した新型コロナ雇用調整助成金の全額約10億円を返還するように命令を出した。