千葉県柏市の住宅敷地内で昨年12月、住人の夫妻が刺殺されるなどした事件で、県警は26日、夫妻のうち会社役員の渡来敏明さん（59）を殺害したとして、職業不詳の酒巻馨容疑者（78）を殺人容疑で再逮捕し、発表した。酒巻容疑者は「間違いありません」と容疑を認めたが、その後は体調不良を理由に詳しい調べに応じていないという。 柏署捜査本部によると、酒巻容疑者は昨年12月18日午後6時ごろ、柏市高柳の住宅敷地内で、この家に住む渡来さんの胸や背中を刃物のようなもので刺して殺害した疑いがある。 捜査本部は、現場付近の防犯カメラやドライブレコーダーの映像などから、酒巻容疑者が渡来さんを殺害したと判断。容疑者の車から押収した包丁が殺害に使われたとみている。渡来さんとは仕事を通じた知り合いで、金銭トラブルがあったとみられる。 夫妻が殺害された直後に近くの住宅地で火災が発生し、酒巻容疑者の自宅を含む住宅8棟が全焼した。県警は1月、自宅隣の木造平屋建て住宅に油をまいて放火した現住建造物等放火の疑いで酒巻容疑者を逮捕。今月5日には夫妻のうち妻の礼子さん（59）に対する殺人容疑でも逮捕していた。（杉江隼）