工事現場から1億円超相当の銅線などを盗んだとして、京都府警捜査3課や右京署などは28日、建造物侵入や窃盗などの疑いで、住所不定、無職の被告(34)=窃盗罪などで公判中=らベトナム国籍の男5人を逮捕、追送検し、捜査を終結したと発表した。京都、滋賀など14府県にまたがって犯行を繰り返していたという。 府警によると、5人は技能実習で入国し、一部は不法残留していた。府警は、5人が生活費などを稼ぐ目的で、交流サイト(SNS)で結び付いて犯行するためにつながる「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」に属していたとみている。 府警の説明では、5人は2023年8月〜24年5月、京都市右京区や大津市のほか愛知県や千葉県など14府県で、建設中の建物に侵入し、現場に敷設されている電気ケーブル(銅線)約17・9トン(約1億1300万円相当)を盗んだ疑いがあるという。 府警は、被告を中心に盗品を運搬する車両やドライバーを集め、換金した後の口座なども調達し、犯行を繰り返していたとみている。転売する際には、身分証の確認を求めない業者を選んでいたという。 銅線の金属盗を巡っては全国的に被害が増加し、盗品を買い取る業者がいるとされる。警察庁が被害を防ぐため、取引記録を保存するなどの新法制定に向けた動きがある。