●県迷惑防止条例違反 富山県内の飲食店で女性客の太ももを触ったとして、富山県警は28日、県迷惑防止条例違反(痴漢行為)の疑いで、男性警部補を富山地検に書類送致し、減給6カ月の懲戒処分としたと発表した。今年1月に道交法違反容疑で逮捕した高岡署地域課の行政職員の女(68)も同日付で懲戒免職となり、県警の懲戒処分は今年度5件になった。相次ぐ不祥事に歯止めが掛からない。 ●逮捕なく依願退職 部署、年齢非公表 警部補の書類送検と処分は2月13日付。警部補は同日付で依願退職した。 警部補を逮捕せず、任意捜査を続けた理由について、県警監察官室は「逃走や証拠隠滅の恐れがないと判断した」とした。この日の発表では、警部補の所属部署と年齢も明らかにされなかった。 警部補の書類送検容疑は昨年10月下旬、県内の飲食店で、偶然居合わせた女性客の太ももを服の上から数回触った疑い。県警によると、女性から11月初旬に被害の相談があり発覚。女性とは初対面で、共通の知人と一緒に酒を飲みながら食事をしていたという。警部補は容疑を認め「被害者や組織に迷惑を掛けて申し訳ない」と供述している。 ●「再発防止努める」本部長 髙木正人本部長は定例記者会見で「県民の信頼を大きく損なう事態で重く受け止めている。全職員に綱紀粛正の徹底を求め、再発防止に努める」と述べた。 井上数也首席監察官は「関係者や県民の皆さまに改めておわびする。職員の指導をより一層徹底し、信頼回復に努める」とコメントを出した。相次ぐ不祥事を受け、県警本部で28日、各署の副署長と次長、本部の各課次席ら48人を集めた臨時会議が開かれ、伴野康和警務部長が訓示した。 懲戒免職となった行政職員の女は1月12日夜、小矢部市本町の商業施設の駐車場で、酒気を帯びた状態で乗用車を運転し、軽自動車に接触したにもかかわらず、そのまま立ち去ろうとしたとして、道交法違反(酒気帯び運転、事故不申告)の疑いで逮捕、送検された。県警は2月28日付で監督責任を問い、女の上司の警部を所属長注意、警視を口頭厳重注意とした。