当時17歳の女子高校生を、北海道旭川市の橋から転落させて殺害した罪などに問われている当時19歳だった女の被告(20)の裁判員裁判。 この事件では、犯行を主導したとして旭川市の無職・内田梨瑚被告(22)も逮捕・起訴されていて、当時19歳だった女の被告の弁護側は「犯行の大半は内田被告の指示だった」と主張しています。 28日に行われた検察側の証拠調べでは、内田被告が自分の画像を女子高校生にSNSで無断で使用されたことに因縁をつけ、殺害の前日に当時19歳の被告とともに、女子高校生から金を脅し取ろうとしていたと明らかにしました。 法廷では、死亡した女子高校生の両親の供述調書が読み上げられ、被告に厳罰を望みました。 ■女子高校生の母親の供述調書(抜粋) 私は殺害された女子高校生の母親です。亡くなった後、娘を考えていました。 娘がいなくなる前は、一緒にご飯や何気ない日常の事、こんなことしているだろうと。私の願いは、娘が生きて帰ってくることです。 でも、今は叶いません。 5月31日に警察から連絡がありました。娘が生きていると信じていましたが、本当に死んだと思い、涙が止まりませんでした。 遺体がある滝川署では、警察官から「遺体は見ないほうがいい」と言われました。 サラシでグルグル巻きで顔を見ることもできませんでした。 DNAが一致したと聞き、本当に悲しい気持ちでしたが、やっと帰ってきたという気持ちになりました。 無断で写真を投稿したことなどを聞いて、親として気づくことができず、娘を守り切れなかったことが申し訳なく思います。 生きて返してもらいたいが、願いは叶いません。犯人には極刑を望みます。 神居大橋は、娘が苦しんだ嫌な場所ですが、娘が最後に生きていた場所でもあります。 「つらかったね。寒かったね。怖かったね。いまは暖かいところかい?」 娘は優しい性格、相手を思いやる性格です。私を見守ってくれていると思います。 母親の調書を検察が読み上げていた時、傍聴席ではすすり泣く声があり、当時19歳の女の被告(20)は終始、涙を手で拭っていました。 その後、父親の供述調書も読み上げられました。 ■女子高校生の父親の供述調書(抜粋) 5月31日、骨になって家に帰ってきました。娘が死んだことは受け入れられていません。 第一子が長男、第二子は女の子が欲しいと思っていました。 将来、自分の服を選んでほしいという期待。そして待望の長女を授かりました。 小学生の時には2人でゲームセンターやお祭り、父と一緒に行動してくれるのがうれしかった。 娘に服を選んでもらうという夢も叶えてくれました。 将来は、娘の夫と酒を飲んだり、孫を抱っこしたりする夢もありましたが、その夢は叶いません。 霊安室では包帯で巻かれ、見られるような姿ではありませんでした。 「怖かっただろ。痛かっただろ。寒かっただろ」 私だけは気丈にと思いましたが、涙が止まりませんでした。 こんな残虐な事は人間のすることではありません。 娘と同じ目に遭わせたい気持ちですが、私にはできません。 犯人には、できるだけ厳重な処分を与えてください。 当時19歳だった女の被告(20)の裁判員裁判。 争点は『量刑』となっていて、弁護側は「内田被告(22)を慕っていたのは事実だが、同時に恐怖心もあり、顔色を伺いながら過ごしていた」と主張し「犯行の大半は内田被告の指示で、罪を認めて深く後悔している上、まだ若く、更生できる」として情状酌量を求めています。 次回の裁判は3月3日に開かれ、内田梨瑚被告(22)が証人として出廷する予定です。