青森県知事が病院検査強化を表明 みちのく記念病院の犯人隠避事件で

「みちのく記念病院」(青森県八戸市)で起きた入院患者同士の殺人事件をめぐり、医師2人が犯人隠避の疑いで逮捕された事件を受け、県は今後、病院の検査態勢を見直す方針を示した。殺人事件後に県と八戸市はそれぞれ同病院に立ち入り検査を行ったが、有効な対策を打てなかったことなどを踏まえた。市は同病院に対し、医師の勤務実態など管理態勢について改善勧告を検討する。 2023年3月の殺人事件後、県と市がそれぞれ立ち入り検査したのは同年5月以降だった。宮下宗一郎知事は28日の会見で、「事件が発覚した時、ただちに検査するべきだったという論点はあるかもしれない」とした上、「その時、より厳しい検査をしておくべきだったということは反省点」と述べた。 県によると、13人とされる常勤医の勤務実態など、申請通りだったか疑義があるという。宮下氏は「検査で見つからなかったことが今出てきた。改善すべきだ」と発言。事前に通告した上で行う検査方法について疑問の声があり、「うそや偽り、ごまかしがない前提で行ったが、そうでないという話になってきた。検査を強化してやっていきたい」と明言した。具体的な改善方法は「これから精査する」(担当者)とする。 八戸市の熊谷雄一市長は同日の会見で、「医師の勤務状況について病院の管理態勢に不備がある。県と調整をしながら、同病院に対して改善勧告による行政指導を行うことを検討している」と述べた。(江湖良二、鵜沼照都)

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