「あなたに逮捕状が出ています」いきなりこう言われるとやましいことがなくてもドキリ!としませんか。歯止めのかからない特殊詐欺被害、なかでも最近急増している手口が「ニセ警察官」による詐欺です。 山陰でも警察を装った犯行手口で高額の詐欺被害が相次いでいて、犯人グループは偽の警察手帳や逮捕状などを見せて、言葉巧みに信じ込ませてきます。騙されないための対策を警察に聞きました。 詐欺グループの音声: 深川警察です。今の状況ですと検察官はあなたを容疑者としています。 これは実際の特殊詐欺事件で録音された、警察を名乗る男の音声です。男は銀行口座が犯罪に使われたと脅し、その調査名目で現金を入金させたということです。こうした詐欺の手口は、山陰両県でも発生しています。 詐欺グループの音声: 私、警視庁捜査二課です。今回県警から捜査協力要請を受けて、東京警視庁からご連絡しているんですね、あなたを容疑者として見ているんです。 これは2024年12月、警察を名乗る女から鳥取県内の女性の携帯電話にかかってたきたものです。女性はおかしさに気づき、被害はなかったということです。警察官を騙った詐欺事件では、偽物の警察手帳や逮捕状の画像を送りつけて相手を信じ込ませようとするケースも多発しています。 2025年1月には、米子市の60代女性が渋谷警察署を名乗る男から警察手帳や逮捕状の画像を送られて脅迫を受け、合計で2700万円をだまし取られました。 2024年12月、島根県東部の50代女性が9800万円あまりをだまし取られた事件でも、保釈金が書かれた画像などが送られたといいます。 鳥取警察本部生活安全企画課・辻本幸司次席: 捜査機関が警察手帳、ましてや逮捕状を見せるなんてことはありえません。捜査のためにお金を振り込んでくださいとか、どこかに送ってください、確認しますなどということも一切ありえません。 警察によると「ニセ警察官」による特殊詐欺事件は急増していて、鳥取県では2024年の1年間で9件だったのに対し2025年に入ってすでに4件発生。島根県でも2024年17件のうち7件が2024年12月に発生。2025年1月にも3件発生しています。 鳥取警察本部生活安全企画課・辻本幸司次席: キーワードでは「あなたを捜査しています」「あなたに逮捕状が出ています」といった言葉、詐欺を疑っていただいて結構です。 また、「+(プラス)」がついた電話番号や非通知、表示圏外といった電話番号の着信も注意が必要です。巧妙化する詐欺の手口。警察は少しでもおかしい、違和感があると思ったときは家族や知り合い、警察に相談してほしいとしています。