福岡県が助成する健康事業「ケア・トランポリン運動」を巡る汚職事件で、2023年度の県当初予算案の可決などでも便宜を図った見返りに現金2718万円を受け取ったとして、県警は10日、元県議の片岡誠二容疑者(58)=同県中間市=を収賄容疑で再逮捕した。 ケア・トランポリンは北九州市の一般財団法人が開発した手すり付きの円形の跳躍器具(直径約1メートル)。県は高齢者の健康づくりの一環として19年度から、市町村が関連の健康教室を開く際の費用を全額補助しており、その助成予算として22、23年度はともに約1億7800万円を計上していた。 県警はまず、22年度の助成予算案の可決などで便宜を図った見返りに2800万円の賄賂を受け取ったとして片岡容疑者を収賄容疑で逮捕。片岡容疑者に賄賂を渡したとして、健康器具製造販売会社社長、鬼木義美容疑者(66)=北九州市=も贈賄容疑で逮捕していた。鬼木容疑者の親族が代表取締役を務める会社は健康教室に跳躍器具を貸し出しており、県の補助金を受領する立場だった。【佐藤緑平】