静岡県弁護士会が、裁判のやり直しについて定めた「再審法」の改正に向けた協力を鈴木康友知事に要望しました。袴田巖さんが再審で無罪を言い渡されるまでに時間がかかった背景として、再審制度の不備が指摘されています。 「ハッピーバースデートゥユー」の歌に合わせて、勢いよくろうそくを吹き消した袴田巖さん。3月10日、89歳の誕生日を迎え、姉のひで子さん(92)や支援者らが食事会を開いてお祝いしました。 <姉・ひで子さん> 「いくつになったの」 <袴田巖さん> 「いま、23、4歳ぐらい」 袴田さんは59年前、静岡県旧清水市(現静岡市清水区)で一家4人を殺害したとして逮捕され、その後、死刑判決を受けましたが、2024年、再審で静岡地裁が無罪を言い渡しました。袴田さんの裁判をはじめ、現在の再審制度は、時間がかかりすぎることが問題視されています。 10日、県弁護士会は再審について定める「再審法」の改正に向けた協力を求める要望書を鈴木知事に手渡しました。要望書では、証拠が開示されやすい制度の導入と裁判所の決定に対する検察の不服申し立ての禁止を求めています。 <静岡県弁護士会 梅田欣一会長> 「(面談の)全体的な雰囲気と(鈴木知事から)『適切に対応します』という言葉を頂いたので、前向きに検討していただけると受け取りさせていただいた」 静岡県内35市町にも同様の署名を要請していて、2025年1月までにすべての首長から賛同を得られているということです。