法廷に現れたのは、凶悪な犯罪で罪に問われているとは思えない、やせ形でおとなしそうな男だった。初公判で起訴内容を問われた男は「自分は殺していません。解体もしていません。2度にわたって捨てたことは認めます。」背筋を伸ばしハキハキとした声で答えた。逮捕後の取り調べで一時は容疑を認める供述をするものの、その後二転三転させたという男。裁判で明らかになったのは盲目的ともいえる家族への思いだった。 知人男性を殺害して遺体をバラバラに切断して遺棄したとして殺人・死体損壊・死体遺棄の罪に問われた広島市佐伯区皆賀の無職・渡部大地被告(32)に13日、判決が言い渡される。注目の裁判の経緯や争点を振り返る。