ビジャブ非着用のイラン女子選手が国外へ 家族が公表

【AFP=時事】イランのスポーツクライミング女子代表で、女性の髪を隠すスカーフ「ヒジャブ」を着用せずに大会に出場たエルナズ・レカビ選手が母国を離れたと、同選手の兄弟と国内オリンピック委員会(NOC)が明らかにした。 2022年10月に韓国・ソウルで開催されたスポーツクライミングのアジア選手権で、レカビ選手はイスラム教国で女性に義務づけられている頭部を覆うスカーフを着用せずに競技に臨み、世界的な注目を集めて広く称賛された。 しかし、帰国後は公の場からほぼ姿を消したことにより、イラン国外に拠点を置くペルシャ語系メディアでは、自宅軟禁されて海外での競技を禁止されたと報じられた。 イランでは同年9月、服装規定違反の疑いで逮捕されたマフサ・アミニさんが勾留中に死亡したことを受けて反政府運動が起こった。デモは数か月続いたものの、厳しい弾圧に直面して下火となった。 レカビ選手の兄弟はインスタグラムのストーリーに、同選手がイランを離れ、そして将来戻ってくることを望んでいると投稿。この書き込みはウェブサイトのイランワイヤや在英ペルシャ語放送イラン・インターナショナルで引用された。イラン・インターナショナルによると、レカビ選手はスペインに移住したという。 この情報はイラン学生通信(ISNA)も報道。ISNAは、イランのNOCで責任者を務めるメフディ・アリネジャド氏の話として、レカビ選手の兄弟がインスタグラムに投稿した内容を把握していると述べたと伝えた。 アリジャネド氏は11日、報道陣に対して、「彼らがプロのスポーツを追求したいならイランにいるべきだ。NOCはこの2年間レカビを支援しており、彼女自身もこれを認めるだろう」と話す一方で、「誰もが住む場所を選ぶ権利がある」と付け加えた。【翻訳編集】 AFPBB News

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