母の元交際相手に無罪 4歳女児傷害致死事件 奈良地裁

奈良県橿原市で2023年、元交際相手の長女田川星華ちゃん=当時(4)=に暴行を加え死亡させたとして、傷害致死罪などに問われた建設作業員山下翔也被告(28)の裁判員裁判の判決が19日、奈良地裁であった。 沢田正彦裁判長は星華ちゃんの十二指腸に開いた穴について「被告の暴行以外で生じた合理的疑いが残る」として無罪(求刑懲役8年)を言い渡した。 判決で沢田裁判長は、被告が犯人である可能性を示す母親の供述は変遷しており、信用性に疑問が残ると指摘。事件発生時刻に被告と女児が二人きりだったとは言えず、被告の暴行以外の原因で十二指腸に穴が開いた可能性が否定できないとした。 山下被告は23年6月、当時交際していた女性の自宅で星華ちゃんの腹部を圧迫するなどしてけがをさせ、腹膜炎で死亡させたとして同年9月に逮捕、起訴された。 大前裕之・奈良地検次席検事の話 判決内容を精査し、適切に対応する。

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