10代の青少年には当たり前の存在であるSNS。しかしそこには多くの危険がある。青少年を守るために何をすべきか。ITジャーナリストの高橋暁子氏がアドバイスする。 ■はじめに 友人・知人と交流したり、情報を調べたりする際に使われるSNS。ところがSNSの利用で、10代の青少年に様々な危険が及んでいます。どのような危険があり、どのような対策が必要なのでしょうか。 ■インスタ・TikTokはメンタルヘルスに悪影響 10代は、他の世代よりSNSの利用時間が長い傾向にあります。SNSの利用で、10代のメンタルヘルスに悪影響があると言われています。Instagramを運営するメタ社の自社調査でもわかっていたことであり、同社はこれを隠していたことで非難されました。 10代の好むInstagramやTikTokなどのSNSには、多くの自撮り写真が投稿されています。美しい人ほど「いいね」が多くつき、フォロワーも増え、称賛されます。若者たちは、SNSから「美しくなければ」「痩せなければ」という強いメッセージを受け取ります。 自分自身と比較することで、自分の顔や体にネガティブな感情を抱き、落ち込んだり、摂食障害になったり、自殺念慮を抱いたりするようになってしまいます。実際は、そのほとんどの画像は加工されているのですが、見えているものが真実と思い込み、落ち込んでしまうのです。 ■利用時間制限機能の活用を 海外ではこのようなSNSの10代への悪影響が問題視され、SNSの禁止や制限が進んでいます。 米フロリダ州で14歳未満の子どもにSNSのアカウント取得を禁じる法案が成立するなど、35州が規制など子どもの保護策を導入しています。オーストラリアでも、16歳未満のSNS利用について保護者の同意を義務付ける「オンライン・プライバシー法案」が提出されています。 日本ではそのような制限はないため、周囲の大人が見守り、管理する必要があります。SNSで見えている世界は加工されたものであり、真実そのものではないということを教えるべきでしょう。