風俗に女性を斡旋して70億を荒稼ぎ…違法スカウトグループ「アクセス」と「運営役の主婦」の実像

警視庁など5都県警の合同捜査本部はこの4月、スカウトグループ「アクセス」の代表、遠藤和真容疑者(33)と、グループの運営を担当していた生駒矩子容疑者(32)を職業安定法違反の疑いで逮捕した。 「アクセスはSNSで集めた女性を全国のソープランドやデリバリーヘルスに斡旋して、紹介料を受け取っていたとされています。昨年までの5年間でおよそ70億円の売り上げを得ていたとか。遠藤容疑者はすでに職業安定法違反の容疑で立件されており、これで7回目の逮捕。生駒容疑者も再逮捕となります」(全国紙社会部記者) 全盛期にはおよそ300人のメンバーが所属していたとされるアクセス。どのように女性を斡旋していたのか。 「アクセスは所属するスカウトメンバー専用のウェブサイト『2チャンネル』を運営していて、そこには島根県を除く全国46都道府県、約1800店舗の風俗店の情報が掲載されていました。店の業態から求めている女性の条件や報酬、担当者の連絡先まで細かく記載されていた。 スカウトは自らが勧誘した女性から希望する勤務地や労働条件を聞き取り、それにマッチする店に送り込んでいた。『2チャンネル』は店舗ごとにクチコミが投稿できるようになっていて、スカウトたちが参考にしていたそうです」(同前) アクセスが巨大化していく過程で「警察対策マニュアル」なるものもできた。 「弁護士との相談のもと作成された、という但し書きのもと、『捕まった段階で“〇〇弁護士に連絡したい”と言う』『黙秘を徹底する』『自己判断で調書に捺印をしない』『スカウトはフリー、個人でやっていたと話す』『始めたきっかけは、SNSにスカウトがたくさんいて自分でもできそうだと思い始めたと話せ』など、逮捕された際の“対策”がいくつも記されていました。メンバーが摘発されても上層部にまで捜査の手が及ばないよう、メンバーにマニュアルを厳守させていました」(捜査関係者) ◆普通の主婦からスカウトグループの幹部へ しかし昨年11月、アクセスの代表だった遠藤容疑者が職業安定法違反の容疑で逮捕される。その後、グループを仕切っていたのが生駒容疑者だった。 「生駒容疑者がアクセスに加わったのは’21年5月。《自宅でできる高収入な仕事》というSNSの求人募集を見て応募。アルバイトでスカウトの仕事をした後、正式にメンバーとして採用されました。ただ、スカウトとしては稼ぎが悪かった。当時代表だった遠藤容疑者に『運営の仕事がしたい』と猛アピールして、裏方に回ったのです。 運営ではすぐに頭角を現し、和歌山県橋本市の自宅で家事や子育てをこなしながら、グループをまとめ上げていた。スカウトが勧誘した女性の面接やアフターケア、斡旋先とのトラブル処理、スカウトへの給与計算まで担っていたようです」(前出・捜査関係者) ごく普通の主婦も参加していたスカウトグループ、アクセス。その全貌が、明らかになりつつある。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加