北海道美唄市の水道工事をめぐる贈収賄事件で、贈賄側の業者による工事の入札率が80%前後と目立って低かったことが捜査関係者などへの取材でわかりました。 この事件は、美唄市上下水道課の元課長補佐、本田強志容疑者(53)が「サニー設備工業」の社長、伊藤義則容疑者(66)と役員の磯田諭容疑者(51)に便宜を図った見返りに、旅行や飲食の代金を得るなど、3人が贈収賄に関わったとして、逮捕・送検されたものです。 本田容疑者は2021年7月から2024年7月までの、市発注の6件の入札で、最低制限価格を伊藤容疑者らに伝達。 そのうち、サニー設備工業が落札した5件の工事は、いずれも1000万円を超える高額なものでした。 捜査関係者や市の入札記録によりますと、事件に関係した5件の工事でのサニー設備工業の入札率は、いずれも80%前後で、ほかの業者と比べて目立って低く、本田容疑者が便宜を図ったとみられています。 美唄市民 「一般的に3年に1回くらい配置転換があるのに、配置転換せずにいた市も問題」 本田容疑者が受けた見返りは、2024年11月の4泊5日の沖縄旅行。 美唄市によりますと、この時、本田容疑者は持病を理由に1か月の休暇を取っていました。 そして逮捕の4日前、警察が水面下の捜査を続ける中、本田容疑者は突然、美唄市から引っ越すような不自然な動きをしていました。 近所の人 「12月か1月くらいに(外壁を)修理したばかりなのに、引っ越すなんて変だなと思っていた」 警察が、癒着の実態解明を進めています。