教諭失職後も4か月勤務 自己申告以外に把握できず 専門家「報告義務もありえる」

有罪判決を受け失職した教諭が学校にそのことを報告せず、その後4か月間、小学校で授業を続けていた問題です。 鹿児島県教委には、本人からの報告以外に、失職の事実を把握する仕組みがありませんでした。専門家は「職員に報告義務を課すことも検討できるのではないか」と話します。 この問題は、長島町の小学校に勤務していた40歳の元教諭の女が、有罪判決が確定し失職したにもかかわらず、その後、4か月間にわたって小学校で授業を続けていたものです。 地方公務員法では、「職員が『禁錮以上の刑』に至った時、条例に特別の定めがある場合を除きその職を失う」と定めています。 県教委によりますと、元教諭は去年1月おにぎりを盗み、その後、在宅起訴。去年9月に懲役10か月・執行猶予2年の有罪判決がいいわたされ、10月に刑が確定しました。 元教諭はこの時点で失職しましたが、その後4か月間、授業を続けました。そして今年2月、再びおにぎりなどを盗んだとして現行犯逮捕されました。 なぜ県教委は、失職の事実を把握できなかったのか。 県教委が事態を把握したのは、2回目の犯行の今年2月の逮捕の段階でした。去年1月の1回目の犯行は任意事件だったため、本人から報告がなかった場合、現状では失職したことを把握する仕組みがないということです。 有罪判決や、それに伴う失職は教職員からの「自己申告」頼みなのが現状で、仮に元教諭が2月に逮捕され事件が公表されなかった場合、元教諭が失職した状態でさらに勤務を続けていた可能性もありました。 県教委は「職員には日頃から法令違反などをした場合、速やかに所属長に報告するよう指導している」としていますが、こうした状況に専門家は。 (鹿児島大学行政法が専門 宇那木正寛教授)「職員のプライベートなところまで教育委員会が踏み込んで調査するというのは、少し行きすぎかなと思っているので、(職員の刑事処分歴を)具体的に調査しないというのは特におかしいとは思わない」

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