交通事故後に搬送先の病院で看護師に暴行し軽傷を負わせたとして、8日に傷害の疑いで逮捕された女優の広末涼子(44)が16日、勾留先の浜松西署から処分保留で釈放された。 ********* 元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は、広末の早朝の午前6時での釈放について「異例中の異例。こんな時間はありえないレベルで、今まで聞いたことがない」と驚きの声を上げた。 「警察は不必要な拘束はしない。夜中に取り調べはしないですから、早朝に釈放できるなら前日の夕方にも釈放できたはず」と若狭氏。「広末側からの要望があった以外に考えられない」と所感を述べた。 加えて「警察側が、容疑者側に便宜を図るのは大きな問題がある。普通の容疑者なら、絶対に要望なんて聞かないですから。『有名人だから許可した』と受け取られかねない」と疑問視。「検査で薬物が検出されず、傷害の相手が軽傷なのに勾留請求しました。いろいろな問題を鑑(かんが)みて総合的に判断したのでしょう」と語った。 広末側が早朝を選んだ理由に「マスコミが少ない時間帯に署を出たかったのではないか」と推測。静岡地検浜松支部は、広末容疑者側の要望の有無や、著名人ゆえの特別対応の可能性について「お答えできない」と語るにとどめた。 今後について「傷害罪についての捜査はほぼ終わっているはず」と指摘した。「示談が成立しましたし、被害者も軽傷。傷害罪は不起訴、起訴猶予になる可能性が高い」 10日に危険運転致傷の疑いで、広末の自宅を家宅捜索したが「薬物が検出されなかったことから、薬物の影響でああいう事故を起こした証拠が見つからなかった。危険運転致傷罪で処罰するのは難しい」と断言。「あとは普通の交通事故としての刑事罰。同乗していた人が重傷を負ったことから、過失運転致死傷罪で罰金刑になるのでは」と見解を示した。