27日投開票の衆院選東京15区には、「メディア映え選挙区」(情報サイト「選挙ドットコム」)とも指摘される話題性のある若い候補者が並んだ。同区は自民の当選者が「政治とカネ」の問題で2代続けて逮捕された因縁があり、野党系候補は「裏金」を連呼して自民党をあてこする。一方、自民は知名度の高い25歳の論客を擁立し、政策論争を深めるよう訴える。 ■共産・小堤氏「争点は組織的大犯罪の裏金問題」 「選挙の争点は自民党の組織的大犯罪といえる裏金問題だ。共産党を伸ばしてこそ、裏金政治を根絶することができる」 16日午前、江東区中心部の商業施設前。共産党の新人、小堤東氏(35)は買い物客らにこう訴え、自民党派閥パーティー収入不記載事件を最初に「スクープ」した党機関紙「しんぶん赤旗」の調査力や企業団体献金の廃止を一貫して訴えてきた党の姿勢をアピールした。 「自民党は企業団体献金を受け取って、大企業の見返りになる政治をしている。大企業には減税し、国民には消費増税を押し付けて、非正規雇用を増やしている。失われた30年は自民党の人災だ」と強調し、最低賃金1500円以上への引き上げなど党の政策も訴える。顔なじみとみられるお年寄りが手を振ると、小堤氏も駆け寄って握手していた。 4月の補選で、共産党は小堤氏の立候補を取り下げ、立憲民主党の前職、酒井菜摘氏(38)を支援し、初当選の原動力となった。ただ、小堤氏は産経新聞の取材に「前回降りたのは例外だ。補選後は引き続き15区の予定候補として活動してきた。今回は立民さんは(平成27年に成立した集団的自衛権の行使を容認した)安全保障関連法の継続に道を開く形にしており、共闘の基盤が損なわれている」と語った。 小堤氏が去った約1時間後、この場でマイクを握ったのが自民党が擁立した全国最年少候補の新人、大空幸星氏(25)だ。 ■自民・大空氏「25歳だから特別はない」 「江東区が政治不信の象徴として知られた。悔しくてたまらない。候補者同士が選挙を妨害し、誹謗中傷するような醜いことはもうない」