【AFP=時事】今年2月に獄死したロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏の妻ユリア・ナワルナヤ(Yulia Navalnaya)氏は20日付の英紙サンデー・タイムズに掲載されたインタビュー記事の中で、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領がいつの日か「ロシアの皇帝から普通の囚人」に転落することを望むと語った。 22日にナワリヌイ氏の回顧録が出版されるのを前に行われたインタビューで、ナワルナヤ氏は、プーチン氏の最大の政敵だった夫の仕事を引き継ぐと表明。ただし、そのためにロシアに戻るつもりはないと述べた。 ロシアは7月、ナワルナヤ氏を「テロリスト」と「過激派」のリストに追加。逮捕状も発行している。 ナワルナヤ氏は一方、ナワリヌイ氏が死亡した場合にロシアの反体制派運動を率いることについて夫と話し合ったことは一度もなかったと明かした。 「夫はこうした政治的で危険なことから私を遠ざけたがっていたと思う」。ナワルナヤ氏はしかし、「他に選択肢がないことに気づいた。もちろん黙っていることもできる。でも、それは私ではない。ロシアをあきらめるつもりはない」と語った。 プーチン氏に対する気持ちを問われると、同氏を憎んではいないとしながら、「私の夫がそうであったように」彼が投獄されるのを見たいと告白。「彼がロシアの皇帝のような存在から、普通の囚人になることを望む」と話した。 ナワリヌイ氏が亡くなる前にロシアと欧米の間で議論されていた囚人交換の見通しについては、「やや懐疑的」だったと振り返った。 「プーチン氏との交渉がどのようなものか分かっている」「彼は常にうそをつく。(囚人交換が)あすにでも実現するとはまったく思わなかった」【翻訳編集】 AFPBB News