衆院東京15区、補選の「つばさの党」選挙妨害踏まえ選挙戦様変わり 保守票の行方も注目

27日投開票の衆院選東京15区には、4月の同区補欠選挙に出馬した若い候補が再挑戦する姿も目立っている。この補選では、候補者の多くが公職選挙法違反罪で幹部が起訴された政治団体「つばさの党」陣営に罵詈雑言を浴びせられた。そのためか、今回の選挙は互いの活動に敬意を示す言葉があちこちで聞かれた。 ■金沢氏「報われる社会」初心は今も 「追いかけられた場所をみると、(つばさの党騒動を)ちょっと思い出す。本当に怖い思いをした人がたくさんいた。政治不信がほかの選挙区と比べて大きいのに、そこに選挙妨害…今回、安心安全に選挙演説を聞けるような状況になったことは、まずはよかった」 15区に無所属新人として立候補した金沢結衣氏(34)は、日本維新の会の候補として臨んだ補選で、つばさの党陣営から執拗に追いかけられた経緯を振り返りながらこう語る。 5年近く街頭演説を重ねてきた金沢氏。17日午前には、東京メトロ門前仲町駅前でビラを配っていた。相手の目を見ながら、一枚一枚丁寧に手渡すよう心がけている。維新の選挙カーが通り過ぎると、互いに手を振った。令和2年に維新の東京15区支部長に就任したが、10月に離党届を出した。「反対があっても、国民のためになると思ったら貫き通す熱量がだんだん失われていった」と感じたためだ。 2時間かけて朝のビラ配りを終えた金沢氏は、1人で近くの富岡八幡宮に向かうと、政治団体「日本保守党」の幹部らと一緒になった。新嘗祭の式典に参列するのだという。 金沢氏は神社仏閣巡りが趣味で、維新の支部長就任以来、参列を欠かさない。同区選出の自民党議員も相次いで逮捕されたことで、今回の候補者で参列しているのは金沢氏だけになった。 今は事務所の経費の工面などに苦労しつつ、活動はボランティアに支えられている。「仕事も教育も頑張っている人が報われる社会にしたい」という政治家を志した動機は今も変わらない。5年たって、支援者らの声援に応えないといけないとの思いも高まっている。 先の補選では、保守的の参政党と日本保守党の候補の得票率が合わせて19%に達した。当時は自民が公認候補を出さなかったことも合わせ、今回の同区の選挙では保守票の行方がどうなるかにも注目が集まっている。

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