巨匠の足跡一目で/19日から「安彦」展

弘前大学出身で、機動戦士ガンダムのキャラクターデザインなどで知られ、半世紀以上にわたりアニメと漫画の最前線で活躍してきた巨匠・安彦良和さんの足跡を振り返る企画展「描く人、安彦良和」(東奥日報社などでつくる実行委員会主催)が19日、青森市の県立美術館で始まる。18日、同館でセレモニーと内覧会が行われ、関係者らが開幕を祝った。 同展は幼少期から現在までの創作活動を六つの章で構成。安彦さんがこれまで手がけたアニメ制作における絵コンテやキャラクター設定のラフスケッチ、イラスト原画や直筆原稿など、千点以上におよぶ資料と作品群を時系列で紹介する。 同展は兵庫県、島根県でも開催された。今回の青森会場では、安彦さんが弘大時代に身を投じた学生運動に重きを置き、それらの関連資料も特別展示する。 同展に特別協力した同大の付属図書館が所蔵していた学生運動の様子を伝える写真のほか、安彦さんが全共闘の「首謀者」と見なされ逮捕された当時の東奥日報の記事も展示。安彦さんが同大を退学処分となった後カット絵を担当した弘前のタウン誌「Q都」も公開され、安彦さんの創作世界の原点に触れることができる。 同日行われた関係者向け内覧会には約70人が出席。セレモニーでは、同館の平田オリザ館長が「安彦先生のぶれない世界観を余すところなく伝える展示になった」とあいさつ。安彦さんは「青森は第二のふるさとであり弘前は大きな転機を迎えた場所。縁を感じとても感謝している」と話した。 会期中は特別上映会やトークショーなどの関連イベントが行われる。 同展は6月29日まで。時間は午前9時半から午後5時。4月28日、5月12、26日、6月9、23日は休館。観覧料は一般1700円、大学生千円、18歳以下と高校生無料。問い合わせは同展青森実行委員会(電話017-783-3000)へ。

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