さいたま市のマンション前で15歳の女子高校生を殺害したとして、25歳の男が逮捕された事件。バンキシャ!は事件発生約4時間前の新映像を入手しました。事件当日に現場付近を歩く、男に似た人物を捉えた映像を徹底分析しました。(真相報道バンキシャ!) ◇ バンキシャ!は19日、さいたま市の事件現場へ。玄関の前には、たくさんの飲み物と花がそなえられていた。殺害されたのは、手柄玲奈さん(15)。この春、高校生になったばかりだった。事件が起きて初めての週末。同級生らが沈痛な面持ちで現場を訪れていた。 幼稚園・小学校の同級生 「一緒に鬼ごっこしたり、休み時間も外出て、ドッジボールしたり。いろいろ遊びました」 「いつものニュースより、恐怖は身近に感じます」 ──普段からこの辺、不審な人は? 小・中学校の同級生の父親 「聞いたことない。聞いたことないから余計に本当になんでだろうなって」 14日、さいたま市のマンション前で起きた事件。殺人の疑いで逮捕されたのは、谷内寛幸容疑者(25)。警察の調べに対し黙秘を続け、手柄さんとの接点も動機も分かっていない。捜査関係者によると、事件直前まで現場周辺を歩きまわっていたという谷内容疑者。バンキシャ!は現場周辺の防犯カメラを徹底取材。事件発生およそ4時間前の新たな映像を入手した。その映像を専門家に依頼し、鮮明化。すると…。 バンキシャ! 「結構クリアに見えているような」 さらに独自分析で見えてきたこととは。 ◇ さいたま市で女子高校生が殺害された事件。防犯カメラが、事件直後の谷内寛幸容疑者とみられる男の姿をとらえていた。画面左奥から、一人の人物が歩いてくる。横断歩道を小走りで渡るこの人物。谷内容疑者とみられる。谷内容疑者は事件後、近くにいた人に通報を依頼、交番の前で身柄を確保された。ただ、逮捕後は黙秘を続けているという谷内容疑者。事件直前にも不可解な行動をとっていた。 勤務先の社長によると、谷内容疑者は早朝から仕事を始め、昼過ぎには会社の寮に帰宅。午後5時ごろには寮で社長と会話、その後、午後6時半ごろに外出したという。 捜査関係者によると、事件が起きた午後8時すぎまでのおよそ1時間半の間、現場付近を歩きまわっていたという。 ◇ バンキシャ!は現場付近に設置された防犯カメラをくまなく探した。見せてもらったのは、住宅街に設置された防犯カメラの映像。仕事が終わって、寮に帰宅した昼過ぎからの映像をチェックすると…。 バンキシャ! 「容疑者に似ていますね」 黒のキャップに茶色のジャンパー。警察が発表した容疑者の特徴と一致する。映像の時刻を見てみると、午後4時14分となっている。この人物が谷内容疑者だとすると、午後4時ごろにも、現場付近を歩き回っていたことになる。この通り沿いにある他の防犯カメラ映像で、同じ時間帯の映像を確認してみると。画面左側から姿をあらわしたのは、先ほどと同じ茶色のジャンパーを着た人物。 その後ろ姿は他のカメラにも。やはり警察が発表した容疑者の特徴と一致している。さらに、この人物を最も近くでとらえたカメラがあった。 画面奥から手前に歩いてくる姿。黒いキャップをかぶりなおすようなしぐさが確認できる。この人物が谷内容疑者だったとすると、事件発生の4時間ほど前にも現場付近を歩き回っていたということになる。この人物は谷内容疑者なのだろうか。 ◇ バンキシャ!は専門家に依頼し、入手した映像を鮮明化してもらった。 バンキシャ! 「顔のパーツがしっかり見えているような気がします」 容疑者の顔と比べると、特徴的なアゴのラインが非常に似ていることが分かった。事件直後の容疑者とみられる人物が映っていた映像も鮮明化を依頼した。鮮明化した後の映像には、左手の先に赤い血痕のようなものが見える。さらに前がファスナーで開く、茶色のジャンパーに黒っぽい靴。これらはバンキシャが入手した映像と一致する。 その映像を容疑者の同僚に見てもらったところ。会社の同僚は「細いところ、体格が似ている」、別の同僚は「これは、谷内だ」と話した。 もしこの人物が谷内容疑者だとすると、当初の見立てより早い時間帯にも現場付近を歩き回っていたことになる。 さらにバンキシャ!は、映像に映っていたリュックにも注目。谷内容疑者は事件当時、凶器の刃物とリュックを持っていたという。入手した映像を見てみると、特徴が非常によく似たリュックを持っているのがわかる。この映像はバンキシャ!が入手した後、警察も回収した。捜査関係者は、谷内容疑者が事件前に、少なくとも1度以上外出していたことを確認しているという。 ◇ 犯罪心理学の専門家は、今回の映像に映った人物の服装についてこう指摘する。 筑波大学・原田隆之教授 「普通であれば、目立たない服装で、暗くなってから出かけて。帽子だったりマスクだったり、カメラに映ってもわからないような形」 「昼間この格好で何度も犯行現場近くを歩いていて、そのまま犯行に及んだとすると、非常に奇妙な感じ」 さらに事件後の行動についても、原田教授は「自ら交番に行った。自首して、自分で犯行のことを話すのかと思ったら、一転黙秘をした。ここも非常にチグハグで」と話した。 筑波大学・原田隆之教授 「なぜチグハグな行動をとったのか、すごく不思議だなと思います」 谷内容疑者は調べに対し、逮捕から5日たった19日まで黙秘を続けており、警察は動機の解明を進めている。 (4月20日放送『真相報道バンキシャ!』より)