2009年のF1王者であるジェンソン・バトンとその妻であるブリトニー・バトンは、バレンタインのロマンチックな旅行中、ロンドンで泥棒に狙われた。 2月にバトン夫妻は、ロンドンのセント・パンクラス駅の外で33万3000ドル(約4800万円)相当のハンドバッグ、ジュエリー、センチメンタルなアイテムが入っていたゴヤールのスーツケースが盗まれたのだという。 ブリトニーさんはデイリー・メール紙にこの白昼の大胆な強盗事件を経て、イギリスに戻る気は「まったくない」と語った。 「ショックでした。(ロンドンは)とにかく人が多くて、混沌としていて、何もかもが不安な感じでした」 当時の状況について、夫のジェンソン・バトンは運転手が荷物を車に積み込むのを手伝っており、ブリトニーさんは車に乗っておくよう言われたのだという。 「私は『手荷物を持ってくるべきだったかしら?』って思ったの。ジェンソンって、(他人を)信頼しすぎて、ちょっとリラックスしすぎているようなところがあって、あまり注意深くはないですからね」 犯行が起きたとき、ジェンソン・バトンは自分のバッグを前の座席に積むために、ブリトニーさんのキャリーケースには背を向けていたのだという。 「彼は私のケースに背中を向けていました。その時に男がやってきて、それを奪ったんです。私達は、それを見ていませんでした」 「おそらく、彼らは私たちのことを狙っていたんだと思います。ジェンソンが『待って。君のバッグはどこ?』って言うまで、私達は何も知らなかったんです」 このトラウマになるような出来事の後、ブリトニーさんは泣き出してしまい、カリフォルニアにある家族の家に帰ることになったという。 「私は泣き出していまい、ジェンソンに少し腹が立ったわ。でも、誰かが私たちのことを狙っていたのは彼のせいじゃない」 「彼は数ヵ月前にも、ロンドンの駐車場でバッグを盗まれたことがある。普段、人前に出たり旅行したりする時はかなり用心しているんだけど、まさかギャングが文字通り人を待ち構えていて、監視しているとは思わなかったの」 数日後、モウラッド・エイドという41歳の男が逮捕され、窃盗の罪を認めたとタブロイド紙は報じた。容疑者が逮捕された時点で、盗品はすでにネット上に商品として掲載されていたという。 「多くの人が『ご主人が買ったんでしょ』って決めつけるんだけど、実際は私が半分くらい買ったし、一生懸命働いていたのに、誰かが近づいてきて、それを奪われるなんて……悔しいわ」 「『贅沢な悩み』だと言われるのは分かっているけど……あまり価値がないものでも同じだと思います。感情的な問題なんです」 「私の父は警察官だったから、人のものを盗んではいけないと育てられました。他人のものを盗んだり、自分のものでないものを奪ったりするくらいなら、モノが少ない方がいいと思っています」 ジェンソン・バトンは以前にも犯罪の被害に遭っている。2015年8月、当時の妻だった道端ジェシカさんや友人たちと休暇を過ごしていた南仏の貸別荘に窃盗団が押し入り、婚約指輪をはじめ宝石などを盗んだ。当時の被害総額は日本円で約6000万円とも伝えられている。この時の手口は、エアコンの通風孔から催眠ガスを流し込むという大変ショッキングなものだった。