山形県高畠町の山林で下草などに放火した疑いで近くに住む76歳の女が逮捕された事件で、警察が火事現場近くで女を発見した際、手にライターを持っていたことがわかりました。警察はそのライターを使って火を付けたとみて調べています。 この事件は、高畠町安久津の無職・我妻より子容疑者(76)が5月9日の夕方、自宅近くの山林で下草などに火を付け、およそ100平方メートルを焼いた疑いで逮捕されたものです。 警察によりますと、火事の発生後に周囲を警戒をしていた警察官が現場近くで我妻容疑者を発見。その後、容疑が固まったため、逮捕しました。 捜査関係者などによりますと、我妻容疑者は発見時、手にライターを持っていたということです。警察はそのライターを使って燃えやすい枯れ草などに火を付けたとみて調べています。警察の調べに対し、我妻容疑者は容疑を認めているということです。 一方、我妻容疑者について、警察は、去年高畠町で相次いだ野火や山林火災への関与についても調べています。 我妻容疑者の逮捕容疑となった火事の現場は、高畠町役場から北東に5キロ余り離れた蛭沢湖の周辺です。 一帯では去年、4月下旬からの1か月間に枯れ草やタイヤなどが焼ける野火や山林火災が10件相次いで発生していました。 このうち、去年4月28日に発生した山林火災は、鎮火まで3日以上かかりおよそ40ヘクタールが焼けました。高畠町では過去10年で最大規模の山林火災となりました。 去年発生した10件と今回の現場はいずれも半径800メートル内で発生していました。 火事現場はいずれも山あいに位置していますが、農道や湖の遊歩道脇の林野、集落の住民が使う山道脇の空き地など人が立ち入りやすい場所でした。 発生直後、近隣住民からは短期間に火事が10件相次いだことを不審に思う声が上がっていましたー。 住民「4月からしょっちゅうあった。全部近所、ぐるーっと火事。道路脇とか。ワラビもあまり一帯で取れないから山菜採りに来る人も少ない」 警察は10件いずれの現場も火の気がなく、野焼きやタバコの不始末の跡などもなかったことから、不審火の可能性を視野に捜査を進めていました。 警察は今回の事件現場の状況が去年の10件の不審火と似ていることなどから、我妻容疑者との関連についても調べを進めています。