崖っぷちの日産、追浜・湘南2工場閉鎖検討、国内でも事務系の早期退職募集へ[新聞ウォッチ]

「厳しい目で精査した」(イバン・エスピノーサ日産自動車社長)という結果であれば、「聖域なき構造改革」に容赦なく大なたを振るうのもやむを得ないことなのだろう。崖っぷちの日産自動車が、神奈川県にある国内主力の追浜工場と子会社である日産車体の湘南工場の国内2工場の閉鎖を含めて調整しているほか、7、8月に国内の事務系職員を対象に、早期希望退職を募集するという。 いずれのニュースも週末(5月17、18日)に、読売が2日連続で1面のトップ記事として報じていたが、5月17日付けの朝刊には「日産、神奈川2工場閉鎖へ、7工場削減計画、追浜と湘南、海外はメキシコ・南アなど」。翌18日にも「日産、早期退職募集へ、7、8月事務系45~64歳、国内で18年ぶり」と取り上げていた。トヨタ自動車には経営方針などをタイムリーに啓蒙するための「トヨタイムズ」があるが、この週末の読売は、まるで日産の“社外報”のようにも見受けられた。 ただ、日産は「報道は憶測に基づくもので、当社が発表した情報ではなく、透明性を維持し、必要に応じて適切なタイミングで提供します」とのコメントを発表したが、工場閉鎖に関するニュースは、各紙が17日付けの夕刊1面トップで追随記事を掲載したほか、翌18日の朝刊にも東京が社会面に「日産城下町不安と諦め、横須賀・平塚2工場『危機』従業員ショック」「マザー工場と最大拠点、閉鎖なら大打撃」などと、関連記事も報じていたほど。 また、「早期退職募集」についても、きょうの朝日、産経、東京が掲載。東京は社説でのテーマにも取り上げており、パナソニックとともに相次ぐ人員削減について「日本の代表的な企業の人員整理は雇用環境に重大な影響を及ぼしかねない。両社の経営者は雇用を担う覚悟と責任を肝に銘じるべきだ」と指摘、さらに「安易な人減らしが企業の活力を奪い、経営再建につながらない現実を直視すべきだ」などと警鐘を鳴らす。 もっとも、日産の場合は、マザー工場の閉鎖や事務系社員の18年ぶりの早期退職募集まで断行しなければ生き残れないほどに台所事情が悪化して追い詰められていることも事実だろう。 2025年5月19日付 ●車バイオ燃料28年度導入、経産省方針、一部地域で先行(読売・1面) ●日産、早期退職募集へ、国内の事務系、人数非公表(朝日・3面) ●内閣支持最低22%、本社世論調査(毎日・1面) ●新東名で逆走、4人軽傷、三重(産経・21面) ●社説、相次ぐ人員削減、雇用を担う覚悟足りぬ(東京・4面) ●三郷ひき逃げ飲酒運転か、児童けが、中国籍の2容疑者逮捕 (東京・21面) ●水素燃料補助、6都県で、商用車ディーゼル並み負担 (日経・1面)

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