【マインツ(ドイツ)時事】サッカーのドイツ1部リーグ、マインツのMF佐野海舟がシーズンを終えた。 17日に行われたリーグ最終節のレーバークーゼン戦にフル出場。粘りの引き分けに貢献し、チームは来季の欧州カンファレンスリーグ出場権を確保した。佐野は「こうやって勝ち取ったことはチームにとってもプラスになる。ここからが大事」と気を引き締めた。 波乱のシーズンを「簡単なことの方が少なかったが、充実していた。この状況に日々感謝し、これからも『当たり前ではない』と考えてやっていきたい」と振り返る。昨夏、マインツ加入が決まった直後、不同意性交容疑で警視庁に逮捕された。不起訴にはなったものの、地元サポーターからは起用に疑問の声も上がった。マイナスからのスタートだったが、クラブは所属選手が社会的模範となることの重要性を強調した上で、佐野を擁護する姿勢を崩さなかった。 新天地で求められる仕事に向き合い、着実に周囲との信頼関係を築いた。終わってみれば全34試合で先発し、第4節から最終節までは31試合連続フル出場。ドイツ各メディアに「リーグ屈指のボランチ」と称賛され、強豪レーバークーゼンとの一戦でも実力を示した。緻密なリスク管理で、前線の選手が積極的に攻撃できるよう後押し。ここぞという場面のボール奪取で、スタジアムを何度も沸かせた。 献身的なプレーにも「自分のやるべきことをやり続けるだけ」。個性豊かな欧州各国のチームとの対戦が待つ来季も、さらに成長を遂げそうだ。