滋賀の寺で幽霊画を盗んだ疑いで男を逮捕 住職が取り押さえる

寺が所蔵する幽霊画を盗んだとして、滋賀県警は19日、京都市山科区の無職、土井一輝容疑者(33)を窃盗容疑で現行犯逮捕し、発表した。寺の住職が逃走する容疑者を取り押さえた。 米原署によると、土井容疑者は19日午後1時20分ごろ、米原市清滝の清瀧寺徳源院の本堂で、幽霊を描いた寺所蔵の掛け軸(時価約100万円)を盗んだ疑いがある。 参拝者を装って本堂の案内を受けた土井容疑者が、隙をみて掛け軸を持ち去った。徳源院の住職、山口光秀さん(78)の家族が盗難に気づき、山口さんが走って逃げる土井容疑者を軽トラックで追跡。寺から約50メートル離れた山道で取り押さえた。容疑を認めているという。 山口さんによると、この幽霊画は明治~昭和期に活躍した滋賀県長浜市出身の日本画家、清水節堂の「絹本淡彩幽霊図」。西洋の遠近法を採り入れ、幽霊が掛け軸から抜け出すように見える傑作だ。 山口さんは「この幽霊図は寺にとっても大切な美術品。持ち去られたままにならず、良かった。犯人は軽トラックで追いつかれた時点で観念したようで、ひたすら謝っていました」と話している。(辻岡大助)

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