外免切替厳格化も「中国とは無理がある」「試験問題を日本語に」維新・柳ケ瀬氏 政府慎重

外国人が母国の運転免許を日本の免許へ切り替えられる「外国免許切替(外免切替)」制度を巡り、警察庁は住所確認などを厳格化する方針を発表した。ただ、日本維新の会の柳ケ瀬裕文参院議員は22日の参院外交防衛委員会で、外国人による交通事故のリスクが高く、中国をはじめ日本との違いが大きい他国とこれまでと同様に制度を結ぶことには「無理がある」と指摘し、是正を求めた。 ■外国人運転者の人身事故率は日本人の1.7倍 警察庁は外免切替について、原則として住民票の写しの提出を求めることや、「簡単すぎる」と指摘される学科試験の厳格化を行う方針だ。 ただ、柳ケ瀬氏は「もっと深い問題だ」と述べ、外国人による交通事故のリスクについて言及。警察庁が集計した令和6年の日本人と外国人それぞれの運転者による交通違反で検挙された数と人身事故の件数から、運転免許の保有数をもとに「率」を割り出した。「外国人の検挙率は日本人の約1.8倍、人身事故率は約1.7倍となる。外国人の方が事故を起こす確率が高いのは明白だ」と述べ、原因を尋ねた。 警察庁の阿部竜矢審議官は「日本は左側通行、海外の多くは右側通行など交通ルールが異なる。歩行者保護に対する考え方など交通マナーやルールに差異がみられる。日本の道路環境は歩行者と自転車と自動車が混在していることが多い。こういったことが影響しているのではないか」と答弁した。 ■規範意識の違いを危険視 こうした前提のもと、柳ケ瀬氏は学科試験に関し「厳格化は必要だが、国によって変えてほしい」と求めた。「日本の免許の取得は実は他国に比べて、かなり難しい。中国は日本に比べ、かなり簡易だと言われている。各国でグラデーション(違い)がある。外免切替で一律に、簡単な学科試験と実務試験で通してしまい、日本の交通安全は守れるのか」と問題意識を語った。 また、埼玉県三郷市の市道で小学生の列に車が衝突し、男児4人が重軽傷を負った事件で、埼玉県警が逮捕した中国籍の男が事件前に飲酒していた例を挙げ、中国では飲酒や酒気帯び運転に対する刑罰が軽いなど、日本との交通法規や考え方の違いを危険視した。「一滴たりとも飲むのはダメだと日本は考えるが、中国は多少飲んでも事故らなければ問題ない、となっている」などと語った。 そのうえで、「日本と中国では文化や法規範の意識が違うなかで、問題を若干増やすとか、住民票を必要とすることで対処できるのか。文化があまりにも異なる国と制度を結ぶことそのものが、無理があるのではないか」と強調した。

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