【ジュネーブ共同】スイスで初めて使われ刑事事件として捜査中の「自殺カプセル」を、スウェーデンやフィンランドで使用する計画が浮上している。カプセルを設計した医師で、自殺の方法を広める「死の博士」と批判されるフィリップ・ニチケ氏(77)は「法的な課題を精査中だ」と共同通信の取材に述べた。 カプセルの名称は「サルコ」。内部に体を横たえる空間があり、窓付きの扉を自分で閉め、スイッチを押すと密閉空間に窒素が充満し痛みもなく死に至る仕組みだ。昨年9月、スイス北部で60代の女性が使用して死亡した。当局は女性を援助した地元の団体トップらを逮捕し、釈放後も自殺ほう助の疑いで捜査する。 ニチケ氏は取材に「珍しい装置だが違法でない」と語った。捜査に対応する一方、スウェーデンやフィンランドは「自殺ほう助の明確な規定がないようだ」と話し、使用の可能性を探っている。 スイスでは、医師が処方した致死薬を患者が自ら使う「自殺ほう助」が認められている。医師は金銭や研究などの「利己的動機」がない限り処罰されない。