事件起こした少年にウェブ会議で聞き取り、立ち直りに生かせるか 運用の効率化に期待も、「置いてけぼり」の懸念

非行をした疑いで家庭裁判所に送られた「少年」に対し、家庭裁判所の調査官が面接して成育歴や家庭環境を明らかにする「調査官調査」の手続きに、パソコンやスマートフォンを使うウェブ会議システムが導入された。調査結果は少年院送致などの処分を決める少年審判で判断材料に使われる。 ウェブ面接の導入により、少年審判手続きが効果的に運用されるようになると期待がかかっている。調査官は人員不足が深刻なため、相手の元に出向く負担を減らす効果も見込めそうだ。 ただ、心配もある。成人の容疑者の取り調べは事実の解明を目指すのに対して、家庭裁判所での調査は少年の立ち直りが第一の目的となるため、効率化を追及することはなじまないとの考えがあるからだ。調査を受けたことがある人や、少年事件に詳しい専門家に話を聞き、どのような運用が望ましいのかを探った。(共同通信=広川隆秀) ▽調査官調査とは 通常の刑事事件では、警察が逮捕、勾留した容疑者を検察に送り、検察官が起訴するかどうかを決める。これに対し少年事件では、検察官は全ての事件を家庭裁判所に送致する決まりになっている。

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