警察官を騙って現金をだまし取るだけでなく、わいせつな行為を要求する新しい手口が相次いでいます。今年に入って、全国で32件発生していて、警察庁が注意を呼びかけています。 警察庁によりますと、今年に入ってから4月末までの特殊詐欺の被害総額はおよそ392億円。 前の年の同時期と比べて3倍ほど増加していて、このうち警察官を騙る手口の詐欺は6割強にあたるおよそ247億円と深刻な問題となっています。 こうしたなか、警察官を騙って捜査名目で現金をだまし取るだけでなく、「身体検査をしなければならない」などと裸になることを要求したうえで、「全国にばらまく」と脅迫する新しい手口が相次いでいて、今年に入って、きのう(18日)までに全国で32件発生していることがわかりました。6月だけですでに10件確認されているということです。 ある30代の女性は、警察官を名乗る人物から「口座が悪用されている」「調査のためにお金を振り込む必要がある」などと言われ、現金をだまし取られました。 その後、同じ人物からのSNSのビデオ通話を通じて「体の傷を確認する」などと裸の状態にさせられたうえで、「録音・録画している」「全国にばらまく」などとメッセージで脅されたということです。 別の20代の女性は、国際電話から自動音声で「クレジットカードが不正利用されている」と流れたあとに、銀行員を名乗る人物から口座残高を確認する電話がありました。 その後、警察官を名乗る人物から「行動を把握するためにビデオ通話を繋いだままにして」「入浴中もトイレの時もそのままにしないと逮捕する」などと言われ、入浴中などの映像を送らされる性的な被害に遭ったということです。 警察庁は「携帯電話にも詐欺の電話がくるので若い人も含めて誰でも騙される可能性があります。国際電話の着信規制ができるアプリを利用するなどして被害防止に努めてほしい」としています。 また注意点として、▼SNSやメッセージアプリでの連絡、▼警察手帳や逮捕状の画像送信、▼逮捕を免れることを理由にした金銭振込の指示、▼SNSなどのビデオ通話を利用し裸になることの要求や入浴状況の映像伝送の要求、▼国際電話番号での電話は絶対にないとしています。