フジ株主総会、FMH側の人事案承認 ダルトン案は否決、清水社長「日枝氏の影響力ない」

フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(FMH)は25日、東京都内で定時株主総会を開いた。元タレント、中居正広氏(52)による性暴力への不適切な対応から生じた経営の混乱を立て直すため、社長に昇格予定の清水賢治専務ら計11人が取締役に就くとするFMH側の新体制案を承認。対立する大株主の米投資ファンドが出した独自の役員案は否決。清水氏は「新しい人事案は日枝氏の影響力がないと断言できる」と強調した。 新取締役をめぐるFMHの独自案と米投資ファンド、ダルトン・インベストメンツの提案の攻防はFMHに軍配が上がった。清水氏は株主総会後の取材で「会社提案による取締役は全員が8割超の信任を得た」と明言。「経営体制は完全に刷新され、改革アクションプランを着実に実行するための環境が整った」と力を込めた。 雨の中の株主総会。冒頭で、金光修社長は「フジテレビ(の問題)で皆さまにご迷惑とご心配をおかけしたことを心よりおわびします」と頭を下げた。 新取締役には清水氏やファミリーマート前社長の沢田貴司氏らFMH側が提案した11人が就任。清水氏は「多くの広告主から、われわれの改革プランは評価されている。これを実行する体制が(株主総会で)信任された」と振り返った。 元タレント、中居氏による性暴力に端を発する問題を受け、フジテレビはさまざまな改革に着手。3月の取締役会では経営陣を刷新してFMHが10人、フジは16人が退任し、新たに12人の就任を発表した。編成局にあったアナウンス室を局に格上げするなど組織を改正し、港浩一前社長らに損害賠償を求め提訴することを決定。清水氏が中居氏に性暴力の被害を受けたと認定された元同局女性と対面して謝罪し、ハラスメントをした職員を懲戒処分とした。 また、改革の一環で4月以降にコンプライアンス調査を実施。清水氏は同調査で社員がオンラインカジノ賭博で逮捕および書類送検された事案が発覚したと明かし「逮捕者を出したことは重く受け止めている」と話した。 40年以上要職に就き、今回の総会を機に取締役相談役を退いた日枝久氏に関しては「新しい人事案は日枝氏の影響力がないと断言できる」と強調。今後の経営について「大胆な改革と成長への取り組みを進める」と決意を口にした。

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