「一緒に死のう」SNSで誘い出し、わいせつ目的も 座間事件後も後絶たぬ未成年者の被害

SNSで「一緒に死のう」などと言って自殺願望のある人を誘い出し、死に追いやる事例は、27日に刑が執行された神奈川県座間市での白石隆浩元死刑囚による平成29年の事件以降も、全国各地で相次いでいる。誘い出す側がわいせつ目的で、中高生ら未成年の若い女性が標的となる事例も後を絶たない。 令和3年5月には兵庫県丹波市の林道で中学2年の少女=当時(13)=の遺体が見つかった。遺体遺棄容疑で逮捕され、その後、わいせつ目的誘拐の疑いでも再逮捕された20代の男は、「SNSで知り合い、一緒に自殺しようと考え、車の中で練炭を燃やしたが死にきれなかった」と供述した。 同年9月には、わいせつ目的を「(相手が)死ねば発覚しにくくなるのではなないか」と考えた身勝手な犯行が起きた。さいたま市の当時20代の無職男は、SNSで知り合った中学生を自宅に連れ込み、その後車で相模原市の橋に連れていき、中学生の飛び降り自殺を手助けした。男はこの犯行の数カ月前にも、SNSで知り合った女子高校生を自宅に連れ込んで誘拐していた。 また、福島市の無職の30代の男による犯行は、関連する死者が4人にものぼった。男は6年9月、山形県の10代女性を車で連れ去った上、テント内で練炭自殺を手伝い、死亡させた。1~4月にも、宮城、福島、埼玉の各県の4人の自殺も幇助しており、山形の事例と合わせ関連する死者は計4人。1人は未遂となった。 今年6月にも高校生が巻き込まれている。今月中旬、山梨県の青木ケ原樹海で埼玉県の女子高校生が首をつった状態で発見された。直前まで一緒にいたとして、埼玉県警が未成年者誘拐の疑いで逮捕したのは岐阜県美濃加茂市の男(21)。SNSで計画的に誘い出したとみられ、「一緒に自殺しようと思った」と供述しているという。 厚生労働省は、こうした事件による被害を防ぐため、SNSへの「書き込みを行う若者が適切な相談相手にアクセスできるよう促し、 必要に応じ充実した相談や支援が受けられるよう体制を整備する必要がある」としている。 ◇

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