警察学校初任科63人が10カ月の研鑽積み卒業 「警視庁の原動力」と警視総監が激励

新人警察官らが研鑽(けんさん)に励んできた警視庁警察学校(東京都府中市)で8日、卒業式が開かれた。初任科生63人は、恩師らとの別れに涙を流すなどし、都民の安全・安心のため最前線の27警察署などに配属された。 卒業式には、迫田裕治警視総監、佐野裕子警務部長、筒井朝彦調布署長ら約550人が出席した。卒業生は男性28人、女性35人。高卒・短大卒相当の長期課程の初任科生で、約10カ月にわたって寮生活を共にし、逮捕術や警察実務に関する知識を学んできた。 卒業式で、吉田知成警察学校長は式辞で、「一人一人がより向上心を持ち、真摯(しんし)に努力を重ね、さらなる高みを目指してほしい」と呼びかけた。 迫田総監は匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)や組織に属さない単独犯「ローンオフェンダー」によるテロなど「警察は数々の重要な課題に直面している」と指摘。「自分こそが警視庁の原動力だという信念と気概を強く持ち、都民のために大いに活躍することを心から祈念している」と訓示した。 卒業生を代表して答辞した大高瑠奈巡査(20)は「都民・国民の命を守るという崇高な使命を片時も忘れず、勇往邁進していく覚悟です」と決意を語った。 卒業式終了後は、初代大警視、川路利良の像が立つ「川路広場」で家族らと写真撮影。指導した教官らは別れを惜しみながらも「応援しているからね」と卒業生を激励し、握手を交わした。 南千住署に配属された八納大聖巡査(26)は「事案が発生した際には速やかに臨場して、迅速に解決したい」と意気込む。高井戸署勤務となった秋元美妃巡査(20)は「110番通報に駆け付け、腰軽く動ける警察官を目指したい」と抱負を語った。 警視庁によると、初任科の卒業式が報道陣に公開されるのは初めて。警察学校について広く知ってもらうことで、採用につながることを期待している。(宮野佳幸)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加