<1分で解説>39年前の福井・中3殺害 裁判なぜやり直しに?

福井市で1986年3月、中学3年の女子生徒(当時15歳)が殺害された事件のやり直しの裁判(再審)の判決が18日午後2時、名古屋高裁金沢支部で言い渡されます。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「福井・中3殺害の再審」を解説します。 Q どんな事件だったの? A 生徒は自宅で留守番中に刃物で襲われ、遺体で見つかりました。卒業式を終えたばかりでした。事件から約1年後に逮捕されたのが、後に殺人罪で懲役7年の実刑判決を受ける前川彰司さん(60)。当時21歳でした。 Q 逮捕の決め手は? A 覚醒剤事件で警察に調べられていた前川さんの知人が、「服に血がついた前川さんと以前会った」と証言したことがきっかけです。警察と検察はこうした証言を、前川さんの関与を裏付ける重要な証拠としました。 Q 裁判はどうなったの? A 前川さんは生徒と面識がないとして、一貫して無罪を訴えました。1審の福井地裁判決は証言の信用性を認めず無罪としましたが、2審は一転して検察側の主張を受け入れ、懲役7年の実刑判決を言い渡しました。判決はその後に確定しました。 Q なぜ裁判をやり直すことになったの? A 服役を終えた前川さんは裁判のやり直しを求め、裁判所がその請求を認めたからです。検察側は裁判所に促される形で287点の証拠を新たに開示しましたが、その中には証言のあいまいさや矛盾点を示す捜査報告書も含まれていました。 Q 18日の判決の見通しは? A 前川さんに無罪が言い渡される公算です。事件から39年がたちました。裁判所が事件をどう総括し、捜査の問題点についてどこまで踏み込むのかが注目されます。【国本ようこ】

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