福井中3女子殺害事件で、再審無罪判決が言い渡された前川彰司さん(60)は18日までに取材に応じ、「(無罪判決が出ても)終わりではない。民事でも事件は裁かれるべきだ」として国などを相手に損害賠償を求める訴訟を起こす意向を示した。 前川さんは、自身が知人らの供述によって逮捕、起訴されたことや、検察側が第2次再審請求審になって初めて重要な証拠を開示したことなどに言及。「どういう事情でこんなひどいことをされたのか、一体何があったのかも含めて可能な限り事件の真相を知りたい」と語った。 再審公判で無罪になると、刑事補償法に基づき、拘束された日数に応じて1日当たり最大1万2500円の補償金を請求できる。静岡地裁で再審無罪が言い渡された袴田巌さん(89)は、約47年7カ月の拘束期間に対して約2億1700万円の交付が決まった。 前川さんの拘束日数は、逮捕から一審無罪判決までの約3年6カ月や服役した約5年3カ月などを基に算出するとみられる。