母子殺害事件で無罪判決 元刑務官の男性の国と大阪府への賠償請求を棄却 捜査の違法性認めず 大阪地裁

一度は死刑判決を受け、後に無罪となった男性の訴えは退けられました。 (元刑務官の男性)「(判決は)あまりにもひどいと正直、驚きました」 大阪刑務所の刑務官だった男性(67)は、2002年、義理の娘親子を殺害したとして逮捕され、無実を主張しましたが、大阪地裁で無期懲役を、高裁では死刑を言い渡されました。 2010年最高裁は、現場マンションの敷地内で見つかった男性のたばこの吸い殻が、「かなり前に捨てられた可能性がある」として審理を差し戻し、大阪地裁・高裁ともに「(男性が)事件当日に現場マンションに立ち入ったとは認定できない」として、逆転無罪を言い渡します。 さらに、大阪府警が証拠であるたばこの吸い殻のほとんどを廃棄していたことが分かり、男性は国と大阪府に賠償を求める訴えを起こしていました。 判決で大阪地裁は、「警察官や検察官が(吸い殻を)紛失した時点で、重要な証拠として利用されることを予見することができたとは言えない」として男性の請求を退けました。 (元刑務官の男性)「(警察・検察の)間違いは間違いと認めないと信頼はあり得ない。擁護してしまう裁判所には、えん罪に対する改善は見込めない」 男性は控訴する方針です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加