「自分に懐いている被害者を利用し、性欲のはけ口にするなんて、保育士としても人としても最低の行為だと思います。ちゃんと罰を受けてもらいたいです」 7月2日に東京地裁で開かれた元保育士の山城広太被告(32)の第4回公判。検察官が読み上げた被害男児の保護者の供述調書は、強い処罰感情を感じさせるものだった。 「山城被告は、男児Aくんに性的暴行を加えたとして、’24年10月9日を不同意性交等の疑いで警視庁向島署に逮捕されました。Aくんは山城被告が’19年から勤務していた墨田区内の保育園の園児で、昼寝の時間に被害に遭ったということです。8月下旬にAくんの父親が警察に相談したことから事件が発覚しました。 警察が保育園内の防犯カメラを解析したところ、別の男児への犯行が次々と発覚。被害者の中には、被害を被害と思わず、自分がされたことを無邪気に親に話していた男児もいたそうです」(全国紙社会部記者) 第2回までの公判ではAくんと、同日に被害に遭ったBくん、第2回公判で明らかになったCくんへの犯行の審理が行われた。5月20日に行われた第3回から第4回にかけ審理されたのは、起訴された順にD~Hくんへの犯行で、これで被害男児が8人に上ることとなった。起訴状や冒頭陳述では、これら複数の男児に対する山城被告の卑劣な犯行が明らかになった。 ◆保育園のそこここが「犯行現場」に 「’23年11月中旬、被告人は保育園の3階廊下において、Dくんの口に自己の陰茎を入れ、口腔性交に及びました」 「’24年6月ごろ、被告人は保育園3階図書コーナーで、Eくんに自己の陰茎をなめさせるなどのわいせつな行為に及びました」 「’24年8月中旬、被告人は保育園3階の保育室において、Fくんにズボンの中に手を入れ、臀部を触る、わいせつな行為に及びました」 「’23年11月中旬、被告人は保育園3階の保育室でGくんの臀部付近に自らの陰茎を押し当てるなどのわいせつな行為に及びました」 「’24年7月下旬、被告人は保育園3階の保育室でHくんのズボンの中に手を入れ、陰部を触ってもてあそぶなどのわいせつな行為に及びました」 DくんとEくんは被害に遭ったあと、保護者にそのことを話していた。報道などで事件を知った保護者が被害に気づき、被害者から警察に申告があったという。また、F~Hくんへの犯行は防犯カメラの映像を解析する中で発覚したということだった。 山城被告は「やった行為は間違いありませんが、DさんとEさんについての(犯行)日時がわかりません」と供述していた。 公判の中で検察官は、冒頭のように、被害男児の保護者の供述調書の一部を読み上げたが、別の被害男児の保護者の供述調書も、山城被告への怒りに満ちたものだった。 「犯人はたくさんの人を裏切り続けたことをしっかりと認め、反省してもらいたいと思います。二度と子供に関わる仕事に就いてほしくありません。可能であれば、厳罰を受け、刑務所から出てきてほしくありません」 これまでの公判の中で、山城被告は、’24年7月下旬に着衣の上から陰部を触ったというCくんへの犯行だけは「私はしていないことを主張します」と否認している。 次回は被告人質問が行われる予定だ。被害者参加代理人が見つめる中、山城被告は被害者やその保護者に対して、誠意ある謝罪の言葉を述べるだろうか。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム:https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X:https://x.com/FRIDAY_twit 取材・文:中平良