4億円が44億円に 金の高騰でまさかの事態「世界最大級の金塊」がついに消える

6月16日、金の国内小売価格が1グラムあたり1万7678円(税込)と最高値を更新した。いま、金の価格が上がりに上がっており、10年前と比べるとその差は3倍だ。 「有事の金」と言われ、世の中が不安定なときに金は買われ、価格が高騰するのがセオリー。そんな金の高騰で、あの「日本一」が見られなくなってしまうという。 ABEMA的ニュースショーは、西伊豆・土肥にある施設を取材。土肥といえば温泉や海水浴場など観光地として人気だが、かつては伊豆最大の金山として江戸時代から推定40トンもの金を産出した、歴史ある金の町だ。 そんな土肥の目玉となる展示がある。2006年に「世界一巨大な金塊」としてギネスに認定された、直接触ることもできる金塊だ。実際に見に来ていた観光客は「金運が上がりそう」と話した。 この金塊は三菱マテリアルが西暦2000年を記念して、当初200キログラムの金塊を鋳造。当時世界最大の金塊としてギネスに認定されるも台湾に記録を更新されてしまったため、改めて250キログラムで作り直したという経緯がある。 土肥金山の國分歩課長に、金塊の最初の値段を尋ねると「250キロの金塊は2005年に展示が始まり、当時は4億円相当」と回答して、「いま、44億円になっている」と11倍の価格になっていることを明かして取材スタッフを驚かせた。「そんなに上がると思っていた?」という質問には「思っていません、もちろん」とコメントした。 ちなみに44億といえば、映画「国宝」の興行収入(公開31日間)、東京都内で警察に届けられた現金の落とし物(2024年)、破産した北海道ニセコの大型リゾートホテルの売却額などだ。それらがこの金塊一つに集約されていると言っても過言ではない。 価格が11倍にはね上がり、ますます話題になりそうな金塊だが、展示は7月31日で終了するという。國分課長は「物価高、人件費などの高騰により金相場も上がっている。管理コストも上がり、維持管理が難しくなってしまったというのが理由」と、金の高騰に伴い金塊にかける保険料など、管理費用が上昇してしまったことが理由だと説明した。 また、國分課長は「金塊の価値が上がることによって取材で取り上げてもらい、非常にありがたい気持ちでいっぱいだが、その反面、何が起こるか分からない世の中なので、ちょっと不安な部分もあった。スタッフが安全に仕事できるかドキドキしながら日々を過ごしていた」と発言。実は今年で勤続29年という國分課長は展示当初から金塊を見守り続け、不安な日々を送っていたという。「見ていただくと分かるが、防犯カメラも非常に多く設置しているので……」(國分課長) 近年では金が狙われる事件も多発。三菱UFJ銀行では、元行員が貸金庫から約2億8千万円相当の金塊を盗んだとして逮捕。日本橋高島屋の展示即売会では、約1000万円の純金の茶碗が盗まれたことも。 なかでも未解決事件が千葉の黄金風呂盗難事件。2007年千葉県・鴨川市で「ホテル三日月」の目玉である約1億2000万円の黄金風呂が盗まれる事件が発生。およそ80キロもある浴槽をどのように運び出したのかと大騒ぎになった。しかもこの黄金風呂は2013年に千葉県・勝浦市でへりの一部を切り取られ、2度も盗難被害にあっている。事件は最初の盗難から未解決のままだ。 では、土肥金山の金塊は今後どこへ行くのか。國分課長は「時期をみて、親会社に返却する予定」とコメントした。 (『ABEMA的ニュースショー』より)

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