トランプ氏、オバマ氏を国家反逆罪で告発

【AFP=時事】ドナルド・トランプ米大統領(共和党)は22日、バラク・オバマ元政権(民主党)の当局者が2016年大統領選へのロシアの介入に関する情報を操作したとされる報告書をめぐり、オバマ元大統領を国家反逆罪で告発した。 トゥルシ・ギャバード国家情報長官は、オバマ政権の当局者が「反逆的な陰謀」に関与していたと主張する報告書(18日公表)に関連して、司法省に訴追を請求。オバマ氏とそのチームがロシアの選挙介入に関する情報を捏造(ねつぞう)し、「トランプ大統領に対する実質的に数年にわたるクーデターの土台を築いた」と主張した。 ギャバード氏の主張は、2019年~2023年に行われた四つの刑事捜査、防諜(ぼうちょう)、監視機関による捜査の結果に反するとして、広く批判されている。四つの捜査はすべて、ロシアが2016年大統領選にトランプ氏を支援するため介入したという結論に至っている。 訪米したフィリピンのフェルディナンド・マルコスとの大統領執務室での共同記者会見で、ギャバード氏の報告書に関して司法省は誰をターゲットにすべきかと問われると、トランプ氏は「私が読んだ限りでは──皆さんが読んだものとほぼ同じだが――オバマ大統領だろう。彼が始めたのだ」と回答した。トランプ氏は21日、オバマ氏が逮捕されるAI(人工知能)生成動画を共有したことで非難されたばかり。 さらに、オバマ政権下で副大統領を務めていたジョー・バイデン前大統領、連邦捜査局(FBI)長官を務めていたジェームズ・コミー氏、国家情報長官を務めていたジェームズ・クラッパー氏、中央情報局(CIA)長官を務めていたジョン・ブレナン氏を、陰謀に関与した人物として名指しした。 だが、トランプ氏は「ギャングのリーダー」はオバマ氏であり、「国家反逆罪」に問われていると非難した。 トランプ氏は、2016年大統領選へのロシアの介入、そして自身の選挙陣営の関与に関するさまざまな捜査が開始されて以来、これらの疑惑は「でっち上げ」だと主張している。 反対派はトランプ氏の最近の発言について、少女ら数十人の売春をあっせんし、性的搾取目的の人身取引などの罪で起訴された米富豪、故ジェフリー・エプスタイン元被告(勾留中に自殺)の事件に関連するファイルを公開しなかったことをめぐる危機から矛先をそらすための試みだと一蹴した。 オバマ氏の事務所は、これらの発言は「注意をそらすためのばかばかしく弱々しい試みだ」と激しく非難。 オバマ事務所の広報を務めるパトリック・ローデンブッシュ氏は、「先週発表された文書には、ロシアが2016年大統領選に影響を与えようとしたが、投票操作には成功しなかったという、広く受け入れられている結論を覆すものは何もない」と述べた。 マルコ・ルビオ国務長官が上院情報委員会の委員長代理時代に主導した超党派の報告書は、2020年にトランプ陣営がロシア軍情報部によって盗まれた民主党文書漏洩(ろうえい)の「影響を最大化」しようとしていたことを明らかにした。 同報告書はロシアの目的について、2016年大統領選でトランプ氏を支援し、民主党候補だったヒラリー・クリントン氏に打撃を与えることだったと指摘。 「ロシアの情報機関による2016年米大統領選の完全性への攻撃、そしてトランプ氏とその側近によるこのロシアの活動への参加と容認は、現代における米国の国家安全保障に対する最も重大な対諜報上の脅威の一つだ」と続けた。【翻訳編集】 AFPBB News

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