合成麻薬フェンタニル 国内で17件の事件把握 警察庁「国内での乱用拡大の実態は認められない」

アメリカでまん延し社会問題となっている合成麻薬フェンタニルについて、警察庁はこれまでに17件の関連事件を把握したと明らかにしました。いずれも医療関係者による不正使用、または医療のために処方されたものの不正使用だということです。 フェンタニルはもともと、がんの痛みの緩和などの医療用に開発された鎮痛薬ですが、アメリカでは近年、密造されたものがまん延し、過剰摂取によって多くの人が命を落としています。 警察庁はこれまでに、日本国内で関連事件を17件把握したと明らかにしました。 麻酔科医がフェンタニルを自分に注射するなど医療関係者による不正使用が15件あったほか、医療用のフェンタニルの貼り薬を処方された女が交際相手の男性に貼り、薬物中毒にさせ死亡させたとして逮捕された事件と、医療用のフェンタニルを処方された人が闘病の末に死亡し、その後も家族が違法に持ち続けていた事件があったということです。 営利目的の事件の把握はなく、警察庁は「日本国内で乱用が拡大している実態は認められない」としています。 フェンタニルについては警察庁の楠芳伸長官が今月、「刑事事件として取り扱うべきものがあれば厳正に対処する必要があると認識している」と話していました。

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