給食に異物混入…高校に引き継がれなかった問題行動 長崎・佐世保の高1同級生殺害から11年、児相で続く取り組み

2014年7月に佐世保市で発生した高1同級生殺害事件から、26日で11年となる。被害者と加害者が在籍した高校では命の大切さを考える集会が今年も開かれた。対応に問題があったと指摘される児童相談所では、二度と同じ過ちを繰り返さないための取り組みが続いている。 (古川泰裕) 被害者の女子生徒=当時(15)=が通った市内の高校で23日に行われた全校集会。校長は校内放送で理不尽にも命を奪われた先輩がいることを伝え、自分も他人も傷つけてはならないことを訴えた。 事件の加害者は同級生だった女子生徒。生徒は自宅マンションで犯行に及んだ。「今年も忘れられない日が近づいた」と切り出した校長は事件の詳細には触れず、「自分の中のネガティブな感情とも向き合い、他人と自分の命、両方を大切にしてほしい」と語りかけた。各教室で耳を傾けた生徒らは最後に黙とうをささげた。 殺人容疑で逮捕された生徒は小学校時代に級友の給食に異物を混入するなどしていた。こうした問題行動は小学校から中学校には伝えられたが高校までは引き継がれず効果的な対処を欠いた。県教育委員会は高校の対応などに不備があるとの報告書をまとめている。

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