「真実の愛か禁断の過ちか」。まるで恋愛ドラマの宣伝文句だが、このキャッチコピーの対象が、違法な関係を持ったあと長年連れ添った女教師と男児の実録犯罪であったなら、どう感じるだろうか。 近ごろ、再注目されているのが、1990年代にアメリカで起こったメアリー・ケイ・ルトーノー事件だ。世界中で話題を巻き起こした「美人教師」による児童性的虐待は、フィクションの題材にもなってきた。2000年代には英映画『あるスキャンダルの覚え書き』にてケイト・ブランシェットが、加害者の死後となる2023年にはアカデミー脚本賞候補となった米映画『メイ・ディセンバー ゆれる真実』にてジュリアン・ムーアが加害者に似た役を演じている。