元文部科学事務次官の前川喜平氏が27日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、20日に投開票された奈良市議選で、元迷惑系ユーチューバーのへずまりゅう氏が当選したことについて、「原因は教育の失敗にある」と批判的な内容の投稿をした。へずま氏が27日にX上で反論すると、逆に前川氏の投稿に批判的な意見が多く寄せられるなど、物議を醸している。 前川氏は27日夕、Xで「へずまりゅうが奈良市議に当選した原因は、教育の失敗にある」と投稿。奈良県と市の教育委員会に対し「強烈な危機感を持たなければならない」と指摘した。同県出身で教育行政に長く携わってきた立場から、自身の見解を示したものとみられる。 へずま氏は数時間後、自身のXを更新。「貴方は誰ですか?」とした上で、「これから頑張ろうとしている人間の足を引っ張らないで下さい」と反論した。さらに、「自分を選んだいただいた奈良県、奈良市の方々に失礼です」「貴方がとんでもない人だと皆さんに教えていただきました。これ以上奈良の方々の悪口を言わないで下さい」とも投稿した。 へずま氏はかつて、故意に迷惑行為をする動画を公開して炎上させることで再生回数を増やす「迷惑系ユーチューバー」として活動。撮影中の迷惑行為が原因で逮捕・起訴されたこともある。 ただ、SNSなどで「今は更生して日本を明るくする活動をしています」と訴え、近年は奈良公園のシカが外国人観光客らに蹴られる様子を撮影しSNSに投稿するなど「奈良公園の鹿を守る活動」を展開してきた。 奈良市議選では、定数39に対し55人が立候補。無所属新人として立候補したへずま氏は8320票を獲得し、3位で当選している。 前川氏は、昭和30年生まれ、奈良県出身。東大法学部卒業後、文部省(現文部科学省)入省。文部大臣秘書官、文部科学審議官などを経て平成28年に文部科学事務次官に就任し、29年に退官した。 前川氏やへずま氏の一連の投稿に対しては、前川氏に批判的な内容のリプライ(返信)が目立っている。