「財布を盗まれた」などとタクシー運転手にうそを言い、現金35万円をだまし取ったとして、警視庁四谷署は1日、詐欺容疑で、住居不定、自称飲食店従業員の沖山貴寛容疑者(35)を再逮捕した。 捜査関係者への取材で分かった。「お金は返しました」と供述しているという。 捜査関係者によると、2023年7月以降、東京都や埼玉県など首都圏の1都4県で、タクシー運転手を狙った同様の手口の被害が約25件確認されている。被害総額は計約1960万円で、約400万円をだまし取られた運転手も2人おり、同署は沖山容疑者が関与した可能性があるとみて調べる。 再逮捕容疑は今年5月25日朝、新宿区内で停車した20代の男性運転手に「財布を盗まれた。不動産屋で働いていてお金が必要」などとうそを言い、現金35万円をだまし取った疑い。 沖山容疑者は現金を詐取する際、運転手に「ドライブレコーダーにも映っているから詐欺ではない」と伝え、信用させていた。運転手とはLINE(ライン)のアカウントを交換し、後日返済する旨を伝えていたが、3万円しか返していないという。 詐取した金は、生活費や遊興費、ほかの運転手からの借り入れの返済などに回したとみられる。 沖山容疑者は1月にも同様の手口で別の運転手から現金5万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で7月に逮捕された。この事件では、同容疑者は自身のマイナンバーカードの写真をラインで送信し、信用させていたという。