NHK党・立花孝志氏を刑事告訴 元兵庫県議の妻が会見「声上げられるのは私しか。名誉を回復したい」

斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書問題を追及した竹内英明元県議=1月に死亡=に関する虚偽の情報を動画投稿サイトなどで発信し名誉を傷つけたとして、竹内氏の妻が名誉毀損(きそん)容疑で政治団体「NHK党」党首の立花孝志氏(57)を県警に刑事告訴したことが8日、分かった。妻と代理人弁護士が神戸市で記者会見し明らかにした。2回にわたり告訴し、6月13日と同30日に受理された。 立花氏は8日、記者会見し「違法性が阻却されるだけの根拠を持って発言している。不起訴、あるいは無罪を確信している」と主張。竹内氏が文書問題の県議会調査特別委員会(百条委)で斎藤氏を追及していたことに触れ「黒幕であると、誰でもそう思うじゃないですか」と述べた。 竹内氏は百条委委員だったが、誹謗(ひぼう)中傷を理由に県議を辞職、その後死亡した。立花氏は斎藤氏を応援する目的で昨年11月の県知事選に出馬していた。 妻は記者会見で「夫に代わり声を上げられるのは私しかいない。名誉を回復したい」と強調。立花氏が威圧的な行動で精神的に追い込んだとし「責任を問われるべきだ」と述べた。 告訴状によると、立花氏は昨年12月の街頭演説で「(竹内氏が)警察の取り調べを受けているのは間違いない」と言及したほか、竹内氏が死亡した後の今年1月には動画投稿サイトのライブ配信中に「私文書偽造・同行使罪で逮捕される情報が入っていた」などと発言したとしている。 竹内氏に対する逮捕や取り調べの情報がSNSで拡散したことを受け、県警の村井紀之本部長(当時)は県議会委員会で「事実無根で、明白な虚偽」と否定。立花氏はこれを受けて謝罪し、内容を訂正した。 立花氏が刑事告訴されたことについて、斎藤氏はこの日、県庁で記者団に「訴訟における当事者ではないのでコメントは控える」と述べた。 【元県議の妻 会見要旨】 「昨年の兵庫県知事選挙で、夫は立花氏から“黒幕”と名指しされ、そこから夫の運命が変わった。人々の憎悪の対象に、悪意を向ける標的とされた」 「夫は兵庫県政の混乱の中で追い詰められ、孤立し、社会に絶望してこの世を去った」 「故人に対する誹謗中傷は今もやまず、声を上げないことにはやむことはない」 ――告訴の対象にした立花氏の一連の発信について受け止めは? 「心を傷つけられ、癒えるのを待たずに次の攻撃が襲ってくる。そうやって希望も生きる力も失い、人は絶望していく」 ――竹内氏に対するさまざまな言説が今もSNS上などで発信されている。 「突如として始まったことが、こんなに長く続くとは思わなかった。同じことが起きてほしくない」 ――警察の捜査を通じ、何が明らかになることを望むか? 「立花氏が発信していることが事実ではないと明らかになり、名誉を回復してほしい」

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