８月６日、新宿署の建物から姿を現したのは、メガネをかけた色白の大人しそうな男だった。激しいストロボの光や照明が浴びせられると、一瞬きょとんとした表情をして固まってしまう。そして下を向くと、そのまま二度と顔を上げることはなかった──。 女子高生に現金を渡して新宿・歌舞伎町のホテルでわいせつな行為をしたとして警視庁少年育成課に逮捕されたのは、都内の大学に通う中国人留学生のシュウ・カハン容疑者（28）だ。 「今年の４月３日、高校２年生の女子生徒（16）が18歳未満であることを知りながら、現金１万5000円を渡してホテルでわいせつな行為をした児童買春・ポルノ禁止法違反（児童買春）の疑いです。シュウ容疑者はSNSでパパ活相手を募集していた女生徒に『今度会おう』と連絡。’24年12月から10回ほど会ってわいせつな行為をしていたとみられています。 ４月に警視庁が歌舞伎町のトー横周辺で行った一斉補導で、オーバードーズをしていた女生徒を補導しました。その際に『パパ活をしていた』と話したことから事件が発覚しました。シュウ容疑者は調べに対して『わいせつな行為と女の子との会話は日本語の勉強になるからやった』と容疑を認めています」（全国紙社会部記者） また、シュウ容疑者は「趣味は人間観察で、多いときには週５でトー横周辺に行っていた」とも話しているという。女生徒と会う際も歌舞伎町の警官の動きを観察して「今日は一斉補導なさそう」などというやり取りをしていたようで、歌舞伎町にはかなり入り浸っていたとみられている。今後、さらに余罪が発覚する可能性もある。 ◆声をかけてくる外国人は多い 外国人観光客が押し寄せる大久保公園では外国人相手の売春も今や珍しくはない。週５でトー横に通っていたというシュウ容疑者と、そこで補導された女子生徒。２人の接点であるトー横でもそうなのだろうか。歌舞伎町に詳しいライターの白紙緑氏に聞いた。 「大久保公園の立ちんぼとの区別がついていない外国人が、トー横の女のコに買春目的で声をかけてくることはよくあるようです。ただし、外国人とコミュニケーションをとれないコがほとんどということもあって、無視する場合がほとんど。応じたとしても『プチ』（手での行為）ぐらいですが、外国人は本番目的ですからね。 事件に巻き込まれた女子高生もトー横に出入りしていたそうです。トー横にいる人たちは、みんなその日暮らしでお金に困っており、SNSでよく『サポート』（金銭などのカンパ）を呼びかけています。『パパ活』というよりは、そういうきっかけで知り合って、継続的に会うようになったのかもしれないですね。留学生だから日本語で話ができたのでしょう」 生きた会話を自然な形で学ぶのに、恋愛対象とのコミュニケーションは確かにいい方法なのかもしれないが、児童買春の言い訳としては苦しすぎる。